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かってのアカネイア大陸では、竜族が仲良く平和に暮らしていたそうです。
長い長い歳月を経て、時代はやがて人間の住む世界へと、変化していきました。激減した竜族は、自らの力を石に封じて、竜人族(マムクート)として人間と共存する道を選びました。しかし増え続ける人間達は、次第にマムクート達を蔑み、迫害するようになったのです。人里を追われた竜族は、辺境の地に、彼らだけの王国を作りました。彼らの王となったメディウスは、横暴な人間達を大陸から追い出して、再び竜族の世界を取り戻すことを夢に見ました。
マムクートと人間達の間で大きな戦争が起こったのは、今から100年前のことです。
竜族としての解放された力は、人の適うところではありません。アカネイア大陸に溢れ返っていた人類は、忽ち壊滅の危機に陥りました。しみじみといじめ問題を考えさせられるようなお話ですね。いじめもエスカレートすると、強烈なしっぺ返しを喰らうことになりかねないのです。でも行き過ぎた暴力はいけません。
竜を倒すことの出来る、ファルシオンという神剣が、遥か北の大地に眠っているという言い伝えがありました。ラーマン神殿に代々語り継がれた伝説です。アカネイア聖王国の美しい王女アルテミスに恋した、アンリという若者が、この伝説を信じて、無謀にも単身で前人未到の神の国へと旅に出ました。王女を助けるために、それだけを考えて必死だったんですね。けれど彼は、苦難の末ファルシオンを手に入れ、メディウスを倒すことに成功したのです。こうして人類は救われました。メディウスは封印され、アンリは一躍英雄になりました。
アンリは愛する王女のために戦ったのですが、身分の差という壁を、乗り越えることは出来ませんでした。世の中が平和になると、ただの田舎者でしかなかったアンリは、アカネイアの貴族達に難癖を付けられ、王女にも振られてしまったのです。アンリは失意の末田舎に戻り、故郷の町アリティアに、新しい国を作ることにしました。アルテミスと結婚して、アカネイア聖王国を継いだ新しい王様は、少しばかり後ろめたかったので、資金をいっぱい援助したそうです。女性不信に陥ったアンリは、生涯独身のまま終りましたが、彼の後を継いだ弟の子供達が、アリティア王国を小さいながらも平和な国として、繁栄させて行きました。
100年の時を経て、竜王メディウスは復活しました。
竜族は、というよりメディウスだけかも知れませんが、とっても執念深く、しぶとい生き物だったのです。復活したメディウスは、竜族の国ドルーア帝国を再建して、強慾で野心家な人間達を味方に引き入れ、瞬く間に勢力を拡大して行きました。私利私欲に走り、つまらない野心のために他人を傷つけたり陥れたりするような人間は、いつの時代にも、どこの世界にも居るものです。竜族よりも人間達の方が、余程始末が悪いような気もしますが、困ったことに、ゲームを作った人もこれを書いてる人も人間なので、ここで竜族の味方をするわけにはいきません。・・・そうしてまた、歴史は繰り返されるのです。
タリスという国は、アカネイア大陸の北方にある、歴史もまだ浅い、小さな島国です。
マルスくんは、国を追われてここに逃げて来ました。タリス王国の王様は、どういう関係かは良く知りませんが、マルスくんの父上の古〜い知り合いなのです。マルスくんの母国アリティアは、タリスよりも少し大きい位の田舎でしたが、特別な家柄でした。そう、マルスくんはかの英雄、アンリの子孫なのです。
アリティア王国は、アカネイア大陸の内陸部にあり、穏やかな気候に恵まれた緑豊かな国でした。国民の半数は農民で、お城の裏庭にも畑が作られていました。マルスくんは剣の練習にあんまり熱心ではありませんでした。それよりもお友達のアベルくんやカインくんと、畑の中を走り回ってる方が楽しかったのです。
戦争などなければそれで良かったのですけどね。
大陸の要であるアカネイア王国がドルーア帝国に滅ぼされ、戦況はますます悪化して行きました。アリティアの王国軍も出陣しましたが、同盟国グラの手酷い裏切りに遇い、全滅してしてしまったのです。神剣ファルシオンを持って出撃したマルスくんの父上、アリティアの国王も、帰って来ませんでした。マルスくんは落城寸前に、持病の神経痛が出て出陣することの叶わなかった、アリティア騎士団の隊長ジェイガンさんと、若い騎士達を伴って、炎上する城からからくも脱出したのです。途中ではぐれたエリス姉上とはそれっきりです。
タリスの王様は民衆にとても慕われていました。
王様の知り合いであるマルスくんにも、とても親切でした。でも王子様とは知りません。そんな風には全然見えませんでしたから。砦の避難民、と彼らはみな思っていたようです。
王様にはシーダという一人娘がいます。なかなかのお転婆で、小さい時からペガサスに乗っていたそうです。そればかりか、細身の槍を上手に扱うことが出来るのです。シーダ姫はタリスのお城で初めてマルスくんを見た時から、運命を感じていました。マルスくんは感じてなかったので、その運命がどういうものかは知りません。
マルスくんがタリスに来て、2年の歳月が流れました。
マルスくんも、マルスくんの仲間達も、すっかり島民の中に溶け込んで、元気いっぱいです。砦に作った畑からは、今年は思ってた以上の収穫がありました。ジェイガンさんがうるさいので、剣や槍の練習もきちんと欠かさずやっていますが、そのせいかずいぶんと逞しくなった・・・ような気もします。
[メモ]
よいこの絵本風ファイア−エムブレムを書いてみようと思ったのですが。真面目になり過ぎちゃって、プロローグだけで体力がなくなりました。
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