ソラの港(ラスト) |
|
| ホームズ | リュナン、ついに俺達二人になっちまったな。 |
| リュナン | ああ、リーザ様にもお会いしたし、もう遣り残したことはない。 |
| ホームズ | そうだな‥‥ |
| リュナン | ホームズはこれからどうするんだ、グラナダに帰るのか? それともサリアに行くのか? |
| ホームズ | グラナダに帰ったら、親父は本気で引退しちまうだろう。ヤツに楽をさせるのは気にくわねえな。 |
| リュナン | 本当はヴァルス提督の事を気遣っているんだろ。だからグラナダには帰らないんだ。 |
| ホームズ | ふんっ、俺はお前みたいにお人好しじゃねえ。ヘタナな勘ぐりはよしてくれ。 |
| リュナン | じゃあサリアに行くのか?カトリは待っているだろう? |
| ホームズ | だ、誰があんなヤツのことなんか1急に態度を変えやがって。 何がホームズ様だよ。くそっ、思い出したらまた腹が立って来た! |
| リュナン | やっぱりあのことで怒っていたのか。 だけどカトリは確かに変だったな。もうホームズが嫌いになったのかな? |
| ホームズ | ガーゼルに取り付かれたんじゃねえのか。地下神殿でもおかしかったからな。 |
| リュナン | そういえばカトリ、目つきも何か変だったな‥‥ |
| ホームズ | そうなるとエンテだって危ねえぜ。実は邪神に操られているんじゃねえのか。 |
| リュナン | ホームズ、嫌な事を言うなよ。エンテは何も変わっていないよ。 |
| ホームズ | いや、急に素直になっただろう。 俺が知っているエンテは、あんなに可愛げはなかったはずだ。 |
| リュナン | エンテはもとから可愛いんだ。それは僕が一番良く知っている。 |
| ホームズ | それはどうだかな、女はわからねえぜ。 |
| リュナン | おい、ホームズ! |
| ホームズ | なんだよ、最初に突っかかって来たのは、リュナンだろうが! |
| リュナン | ふっ‥‥ |
| ホームズ | ははは‥‥ |
| リュナン | そういえば、昔もよく些細なことでケンカしたよな。 |
| ホームズ | お前と俺は性格が正反対だからな。 だけど仲直りも早かった。お互い、認め合っていたからだろう。 |
| リュナン | 僕はホームズが好きだった。苦しい時や悲しい時は、いつもホームズに頼ってばかりいた。兄弟がいない僕にとって、ホームズは兄のような存在だった。 |
| ホームズ | 俺だって同じさ。お前は俺とは違って、しっかり者で頼れる弟って感じだったな。 |
| リュナン | ホームズとこんな話をするのも久しぶりだな。何だか幼い頃の日が戻って来たみたいだ‥‥ |
| ホームズ | なあ、リュナン、一年前の約束、果たさないか。この戦争が終わったら、一緒に旅に出たいって言ってたろ。 |
| リュナン | うん‥‥僕も自由な旅がしたかった‥‥ |
| ホームズ | じゃあ、行こうぜまた皆を集めてさ。 |
| リュナン | だけど‥‥ |
| ホームズ | エンテのことだろ。勿論彼女も誘えばいい。リーヴェ王宮まで迎えに行って、こっそり連れ出せばいいんだよ。 |
| リュナン | エンテは来てくれると思うけど、カトリはどうする? |
| ホームズ | あんなヤツのことなんかどうでもいいんだよ!くそう‥‥ |
| リュナン | ホームズはもう少し考えた方がいい。カトリは女の子なんだから‥‥ |
| ホームズ | 正直に言うとな。カトリのあの話以来、俺も少し反省してるんだ。ちょっと調子に乗り過ぎたかなって‥‥ |
| リュナン | ホームズは相手の気持ちを考えない時があるからな。 でも、それがホームズのいいところでもあるんだけど‥‥ |
| ホームズ | とにかくアシカ号に乗ろうぜ。 考えるのは船出してからでも、遅くはないだろう‥‥ |
| ホームズ | じゃあ行くか。風の具合もちょうどよさそうだ。 |
| リュナン | まずはサリアに行ってカトリ達を乗せ、その後、リーヴェのエンテを迎えに行こう。ゼムセリアからリーヴェ河を遡ればいいだろう。 |
| ホームズ | カトリ、来てくれるかな‥‥ |
| リュナン | 素直に頼めば大丈夫だよ。カトリならきっとわかってくれるさ。 |
| ホームズ | 俺と一緒に来てくれってか?そりゃあちょっと厳しいぜ‥‥ |
| シゲン | カトリを失ってもいいのか? |
| ホームズ | うーん‥‥それはちょっとな‥‥ |
| シゲン | 今のままじゃ、お前は絶対に捨てられるぜ。 |
| ホームズ | うーん‥‥それもちょっとなぁ‥‥うん? おいっ、なんでシゲンがいるんだよ! |
| シゲン | ふっ‥‥やっと気付いたか。カトリ、ホームズがお前に話があるそうだぜ。 |
| ホームズ | カ、カトリも来ているのか‥‥ |
| カトリ | ホームズ‥‥よかった‥‥やっと会えた‥‥ |
| ホームズ | バ、バカやろっ!よくも‥‥ |
| リュナン | ホームズ! |
| ホームズ | あっ‥‥いや、来てくれて嬉しいな。俺もカトリに会いたかったんだ。 |
| カトリ | えっ?‥‥ホームズ‥‥本当なの…… |
| シゲン | どうだ、カトリ。俺のクスリは効いただろう? |
| カトリ | クスリ……って何ですか? |
| シゲン | 俺がカトリに教えた呪文さ。 ホームズ様、私は一人でも大丈夫です。何処へでも好きなところへ行って下さい。なっ、カトリは俺が教えた通りに言ったんだろ? |
| カトリ | ええ。彼を楽にする呪文だとシゲンが言ったから。私、頑張って覚えました。 でも、本当にあれで良かったの?ホームズ、怒っていたみたいだから、私、心配でたまらなかったの‥‥ |
| シゲン | 良かったんだよ、あれで。 なあ、ホームズ。 |
| ホームズ | うぐぐ‥‥ シゲンが裏で操っていたのか‥‥許せねえ!許せねえぜっ!おい、シゲン!! |
| シゲン | おーい、リュナン。お前にはメーヴェ王女を連れて来てやったぜ。 宮廷内の整理はついたから、しばらく帰って来なくてもいいって、オイゲンから預かって来たんだ。 |
| ホームズ | ふーん、要するに二人で旅でもして来いってことか。 さすがはオイゲンだな。こういうところにはよく気が付くぜ。 |
| リュナン | エンテ、君を迎えに行くつもりでいたんだ。来てくれて嬉しいよ。 |
| エンテ | 本当は、私もリュナン様と一緒に行きたかったの。だけど正直に言えなくて‥‥ そんな私の気持ちをオイゲン将軍は察してくれました。 王国のことは何も心配いらないから、リュナン様と共に好きなだけ、旅をして来なさいと言ってくれました。 |
| リュナン | オイゲンがそんなことを‥‥ |
| エンテ | それに、もう一つ、これからはエンテではなくメーヴェを呼んでもらいなさいと。オイゲン将軍はこうも言われました。 グラムド大公から聞いた話だが、メーヴェという名は亡くなられた母上がつけられたもの。大海を飛び回る海鳥のように、自由に健やかに育って欲しいという願いから、メーヴェという名に決められたそうです‥‥ |
| リュナン | メーヴェ‥‥そうか、ユグド文字では、海鳥のカモメという意味だったな‥‥ |
| エンテ | はい‥‥その話をお聞きして、私は涙が止まりませんでした。 私はお母様に愛されていた‥‥お母様は、私の運命を予感して、メーヴェという名を与えて下さいました。 そんな事とは知らずに、王国名に似ているからという理由でこの大切な名前を嫌ってた自分が、とても恥ずかしくなりました‥‥ |
| リュナン | うん、僕もメーヴェの方が好きだ。メーヴェの方が絶対似合っているよ。 |
| ホームズ | ああ、俺もメーヴェがいいと思うぜ。 |
| カトリ | 私もメーヴェ様の方が好きです! |
| ホームズ | 名前が二つも三つもあったらややこしいしな。親が付けた名前で我慢するしかねえだろう。 |
| カトリ | えっ、そうなの?‥‥私もマリアに戻した方がいいのかな‥‥ |
| ホームズ | バ、バカやろ!お前はカトリだ!それ以外の名前は俺が許さねえ! |
| カトリ | よかった‥‥私、司祭様に付けていただいた、この名前が大好きなの。 |
| ホームズ | 俺も好きだぜ、カトリはよ‥‥ |
| リュナン | メーヴェか‥‥確かに広く大きな感じがする。澄んだ風をいっぱいに受けて、メーヴェにも大きく羽ばたいて欲しいな。 |
| メーヴェ | はい‥‥リュナン様と一緒なら‥‥ |
| シゲン | おい、名前談義はそれくらいにして、そろそろ行かないか? なあ、シエラ。俺達、退屈しちまうよなぁ‥‥ |
| シエラ | ふっ‥‥ |
| ホームズ | げっ、シエラまで来てやがる‥‥ |
| シゲン | じゃ、行くぜ俺達の新しい旅立ちに‥‥ |
| リュナン | 大いなる勇気と‥‥ |
| シエラ | 自由な夢と‥‥ |
| カトリ | 永久の優しさと‥‥ |
| エンテ | 真実の愛に‥‥ |
| ホームズ | よし、シーライオン、出撃だ! |
| シゲン | なあ、ジュリア。俺達、退屈しちまうよなぁ‥‥ |
| ジュリア | 仕方がないわよ。私達、最初から余計者なんだから‥‥ |
| ホームズ | げっ、ジュリアまで来てやがる‥‥ |
| シゲン | じゃ、行くぜ俺達の新しい旅立ちに‥‥ |
| リュナン | 大いなる勇気と‥‥ |
| ジュリア | 為しうる力と‥‥ |
| カトリ | 永久の優しさと‥‥ |
| エンテ | 真実の愛に‥‥ |
| ホームズ | よし、シーライオン、出撃だ! |
| シゲン | なあ、クリシーヌ。俺達、退屈しちまうよなぁ‥‥ |
| クリシーヌ | 仕方がないわよ。あたしたち、最初から余計者なんだから‥‥ |
| ホームズ | げっ、クリシーヌまで来てやがる‥‥ |
| シゲン | じゃ、行くぜ俺達の新しい旅立ちに‥‥ |
| リュナン | 大いなる勇気と‥‥ |
| クリシーヌ | あまねく美しさと‥‥ |
| カトリ | 永久の優しさと‥‥ |
| エンテ | 真実の愛に‥‥ |
| ホームズ | よし、シーライオン、出撃だ! |